五鈷杵 密教法具 鎌倉時代

横約147ミリ✕中央部（鬼目）厚さ約18ミリ✕両端（蓮弁飾り）厚さ約27ミリ。重さ約166ｇ。 古代インドの武器に由来するといわれる密教法具の五鈷杵です。 時代比定のご参考にラストのカット２点に資料写真がありますのでご覧下さい（『密教工芸　奈良国立博物館　1992年刊』）。資料のものは２つに割れたものを組み合せて使う割五鈷杵のタイプです。 三鈷杵、羯磨、輪宝、三鈷鈴と並んで五鈷杵は密教修法に欠かせない法具です。 修法の儀式では行者が手に取って邪を祓い、煩悩を打破する役を担いました。 この五鈷杵も長年使用されて中央部が摩耗していますが、行者の破邪の力がこもったような迫力がいまだに息づいています。 両端の尖ったの五つの鈷は、どれもくっつかずにわずかに離されてます。鎌倉時代の丁寧な仕事ぶりが伝わります。